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2012.1.25

第8話 Highway Star

水戸靖宏(千歳不動産株式会社)
 

2011年8月下旬 追記
前回 (第7話)、ネタが横道に逸れたりしてるうちに、本題の「サンつがる」の収穫! というビッグイベントをシラ~っと流したような記事になってしまったので、収穫から出荷までのことを少々追記します。

朝5時半すぎ、田んぼの見回りの後、早生種のリンゴ「つがる」をわい化栽培している第2りんご園へ。つがるの収穫です。


脚立を使って、赤く色づいたリンゴから一つ一つ丁寧にもぎとります。


猛暑の中で、連日地道に「葉っぱ取り」した成果。赤く色づきました。品質良好です!

ハケゴに収穫した「つがる」を畑の一箇所に集め、一つ一つ傷や病気などの障害がないか選果しながら出荷用コンテナへ移していきます。

〔農業一口メモ〕 「ハケゴ」って? 「はけご」とは、昔は農家で藁で手作りした手提げ籠のことで、現在はビニールひもなどで作られているものもある。果樹農家では、果実の収穫全般で主に使われ、材質・大きさも様々。りんごなどの重量のある果実用には竹製の編み篭が使われる。


選果された「サンつがる」がコンテナへ。コンテナひとつで正味約17~18kg入ります。

約40アールの第2りんご園ですから、畑の奥からだと結構な距離があります。一番長い距離で80メートルぐらい。こんな距離を、満杯詰まったハケゴ(5kgくらい)やコンテナを持って何往復も歩くなんて効率悪くて、なにより体力的にも出来るもんじゃありません。

そこでまたまた「お助け営農マシーン」の登場です。
営農マシーン3号 運搬車 ES633「サテライト」、通称「運搬車」くんです。


営農マシーン3号 「運搬車」。ナンバーがないので公道は走れませんが、畑の中では小回りきいて使い勝手抜群!

「なんでサテライトなんだ?」と、お思いの方もおられるでしょう。
それは・・・・・わかりません。


この運搬車、実は、あの「草刈機MASAO」を作った農機具メーカー「筑水キャニコム」製。カタログに乗ってる名前が「サテライト」だったんで意味はわかりません。


このメーカー、この世界ではコアなネーミングで有名。あの絶賛を受けた「草刈機MASAO」をはじめ、大型のタフな草刈機「ブッシュカッター・ジョージ」、立乗り型運搬車「ヒラリー」、乗用芝刈機「芝 耕作」などなど、冗談か? と突っ込みたくなりますが、なんとネーミング大賞を何度も受賞している優良企業なんです。

しかもこの会社の社長がまた偉い。ホームページのトップメッセージというコーナーに、

「ものづくりは演歌なんだよね! 浪花節なんだよね! 義理と人情をおとどけします!」

なんて書いてます。どうです、思わずホームページ見たくなっちゃうでしょ?


・・・・・つい、調べちゃいました。



筑水キャニコムのホームページ、ネーミングコーナーによると

「たわわに実った果実は、一本の木をまるで星々のようにちりばめる。たとえばりんご園を高台から望むと、真っ赤な星々が樹木の緑を彩っている。生産者の皆様が大切に作った美味しい星々を地球に取巻く月(衛星)になぞらえ、衛星=サテライトと命名した。」


う~ん、素敵だ。

話がまた横道に逸れましたが、そんな訳で、この運搬車「サテライト」にコンテナ2段積みで1回に20コンテナ運べます。しかも、トラックの入れない畑の奥までスイスイ入って小回りも抜群。頼りになるマシーンです。

そして、運搬車で集めたコンテナを道路沿いのトラックに積み込み、いよいよ出荷です。
運ぶのは、もちろん、正式には初登場!営農マシーン0号 「ライトエーストラック」 通称トラック1号Highway Star。(6話でツバメの糞の直撃弾を毎日くらってるアイツです。


数々の営農マシーンの中で一番頼りになる トラック1号。なにしろ毎日乗ってますから。

「出荷」といっても農家ごとにそれぞれいろんな販路を持っています。

JAの組合員であってもJAへ出荷、青果市場へ出荷、青果商の仲買人へ販売、産地直送で消費者さんへ直接販売、といろいろ。(JAとしては望ましくないことですが)


JAの優良組合員である水戸農園では、当然全量JAへ出荷です。

(さくらんぼ、ラフランス、晩生種のリンゴ(ふじ)はギフト用産地直送販売もしています。)

ウチの頼りになるトラック1号くんは750kg積載なので、一度に40コンテナ運べます。
出荷先は、水戸農園第2りんご園から車で5分、JAてんどうフルーツセンターへ。


天童市の国道48号沿いにある「JAてんどうフルーツセンター」。名物のコンテナ文字で国道を走る車にアピール。

JAてんどうフルーツセンターでは、毎年、コンテナで組んだ文字でいろいろなアピールをするのが地元では名物になっています。今年は「フルーツのフル里」。
でも、出荷時期になると生産者がこぞってコンテナを取りに行くため、コンテナ文字は無残にも片っ端から崩されてしまうのですが。。

収穫開始から4日間で10往復。ほぼ例年通り、約400コンテナ(約7トン)出荷しました。

その間、会社へは・・・・ええ。行ってません。

社員のみなさま、会社休んでそんなこんななことをしています。ご協力ありがとう。



つづく

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このブログについて

山形R不動産メンバーの水戸靖宏が、ある日突然兼業農家になり、戸惑い、苦悩し、時折愚痴を言いながらも、楽しく農地と向き合っていくストーリー。後継者不足で増え続ける空き農地。山形R不動産では物件ばかりではなく、農地や農業も紹介してしまうのか!?

著者紹介

水戸靖宏(山形R不動産/千歳不動産・マルアール代表)
山形R不動産の代表であり、千歳不動産株式会社の代表取締役、そして株式会社マルアールの代表も務め、さらに現役の兼業農家として、ラ・フランスやさくらんぼを栽培。

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