2011年12月中旬
冬の足音が猛ダッシュで迫ってきています。
初雪はとっくに11月に降りましたが、今シーズンの果樹園の仕事を終え、根雪になる前までのわずかな期間、農家ではまだ色んな仕事があります。
農機具の掃除や点検、特にSSや灌水ポンプの水抜きは必須。気温が氷点下になりポンプ内の水が凍結すると、内部の配管などが破裂して使えなくなってしまいます。
ちなみに、本業(?)の不動産業でも、空室の管理住宅の水道や給湯器は年末までに全ての物件の水抜き作業を行っています。(寒冷地では常識)
それから、本格的に雪が降る前に、自宅の庭の「雪囲い」と「雪吊り」も。
「これは農家の仕事じゃなくて、庭師さんの仕事だろう!」って思いますよね?
ええ。私自身もそう思いますが、我が家では昔から自分でやるのが習慣なんです。
我が家だけじゃなくて、周囲の農家では割りと自分でやっている人が多いみたい。
こんな庭です。山形あたりでは典型的な農家の庭という感じ。庭師さんにお金払って頼むよりも、農閑期(農作業ができない冬期間)の仕事の一つとして「自分達でやれることはなんでもやる」のが農家なんです。(か?)
母曰く、むか~しむかしから家にあった伽羅木の古木(樹齢100年以上)や、父が大事にしていた松だけでもやりたいとのこと。
とにかく、昔から祖父も父も自分でやってたのを私も見ていましたから、やらない訳にはいきません。(か?)竿や縄などの道具も揃ってるし。
農作業のこともろくに知らないのに、庭師さんモドキのことまで知識があるはずありませんが、やりましたとも。・・・適当に。(何事も適当が大切です)
樹木の幹付近に柱を立て、柱の先端から各枝へと放射状に縄を張り、全ての枝を吊ります。が、この柱を立てるのがまず大変。直径15cm位、長さ4~5m位の杉の木の皮を剥いただけの柱ですが、結構な重さで、立てようとすると枝に引っかかったりしてなかなか真っ直ぐに立ってくれません。
一人でジタバタしていると、近くに住む伯父がたまたま来たので手伝ってもらったりして。
〔農業(?)ひとくちメモ〕 雪吊りについて・・・雪吊(ゆきつり)は、冬期、雪が付着し、その重さで樹木の枝が折れないように、縄で枝を保持すること。(金沢市の兼六園が有名。)
樹木の幹付近に柱を立て、柱の先端から各枝へと放射状に縄を張ることをりんご吊りといい、雪吊の代表的手法である。これは、明治以降、西洋リンゴの栽培が日本で始まり、リンゴの実の重さから枝を守るために行った初期の技法に由来する。
おお!調べてみたら、もともとはリンゴの栽培に由来しているなんて。リンゴがメインの果樹農家だった我が家にも浅からず"縁"が。これは意地でも自分でやらなきゃ。
古~い伽羅木。後ろには土蔵。誰か、この土蔵買ってくれませんかね?でも、吊りの強さ(適当)とか、結び方(一応、男結び)とか、これでいいのか?
父が大事にしてた五葉松。よし、なんとなく遠目にはちゃんとした「雪吊り」っぽく見えるぞ。
門かぶりの赤松。でもウチには門がないので、ただの赤松。でも、これで雪が降ったらどうなるんだ? 柱、倒れたりしないよね?
・・・まあ、いいか。
池の鯉たちも寒そうです。そんなこんなで、ついに、ヤツが来ました。
今年最初の本格的なヤツ。・・・雪です。
田んぼも真っ白。これは根雪になるのかな?
激動の2011年も、もう終わり。
新シーズンがすぐにスタートします。
つづく