かつて、古着屋や雑貨屋が点在し、山形のオシャレ好きたちがこぞって足を運んだ路地裏エリア。
七日町大通りから少し入っただけで、どこか空気の違うその通りには、個性と創造性が漂っていた。今でこそ「エリアリノベーション」という言葉が山形でも耳慣れてきたが、じつはその萌芽がここにあったと言っても過言ではない。
今回紹介する物件は、そんな通りの一角に佇む、元古着屋。
古着カルチャーが根付いていた本町エリアでも長年営業されていた、ある意味“レジェンド”的な存在だ。
惜しまれつつ閉店となったが、お店は名前も変えずに隣県の仙台で再出発とのこと。
そしてこの物件は、そんな“歴史ある路面”にふさわしく、次なる可能性を秘めた建物。
賃貸ではなく、今回は売買での募集。
約120㎡を超える広々とした空間は、1階と2階を切り離すことも可能。自由度の高い空間が、これからの新たな拠点となることを待っている。
この通りのすぐ傍にあるのが、山形R不動産の活動初期の代表作「ミサワクラス」。
もともとは空き家だった旅館を芸工大のR不動産メンバー主導でリノベーションし、シェアハウスやアトリエとして運営。
そこから生まれたネットワークやカルチャーは、今でも地域の小さなエネルギーとして息づいている。
本物件はその通り沿いにあり、そうした文化の流れに自然とつながる場所。
つまり、すでにカルチャーが芽吹き、リノベーションの連鎖が続く土壌が、このエリアにはあるのだ。
建物自体も魅力的だ。
ファサードはシンプルながら、長年の歴史を感じさせる存在感。
1階は通りからの視認性も高く、飲食や物販店舗としても最適。
2階は間仕切りをほとんど取り除き、シンプルなワンルームのようなつくり。
どんな用途にも使えそうな、白いキャンパスのような空間。
この建物、妄想が広がります。
1階を地元の食材を活かしたレストランに。
ワインセラーを併設して、“山形らしさ”を提供する場に。
2階は宿泊施設にして、県外からの観光客やインバウンド層に向けた体験型の空間に。
あるいは、1階は小さな焙煎所とカフェ。
2階はアトリエ兼イベントスペース。
夜はミニライブや映画の上映会を開く場としても面白い。
これからのまちに必要なのは、「ただの店」ではなく「文化を紡ぐ場所」。
そんな場所づくりに、この本町の物件は、きっと応えてくれる。
本気のリノベーションで、次の10年を担う拠点をつくってみませんか?