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2009.2.23

第4話 偶然の出会い

黒田良太
 

僕たちは見つけた空き物件に対して、いろんな使い方の提案をしていた。その中でも、街中の空洞化を解決するのに重要だと思っていたのが、「街に住むことを復活させる」だった。この旅館の使い方提案はその「街に住むことを復活させる」ための提案だった。現実的な提案だったのもあって、結構思い入れはあった。でも、そのときは本当に実際につくるなんて考えてもいなかった。

とまぁ、いろいろな使い方提案を考えていたある日、馬場先生がまちつくりを考える勉強会にアドバイザーのような形で御呼ばれした。それを聞いた僕は、それにくっついて行った。なぜ、それにくっついて行ったか。そこには僕の思惑があった。まちつくりの勉強会なんだし、山形R不動産のことを話したら、街の人は興味を持つんじゃないかと思っていたからだ。勉強会の終わり間際に、まだまだ作成途中だった山形R不動産のプレゼンを行った。街の人の反応はというと、想像以上の食いつきで、食い入るように聞いてくれた。「山形R不動産とは何なのか。」「どんなことをしているのか。」そんなことを話した後に、見つけた空き物件の新しい使い方提案を紹介した。

こんな物件を、「住居と店舗が混ざった使い方をしたらどうか」とか、

この物件を、「アーティストのためのアトリエと住居にしたらどうか」とか、あらぬ妄想を紹介していた。その中に、あの旅館の使い方提案も入っていた。スライドが、その旅館の写真に変わった途端、ある人がこう言った。

「あれ?この物件、俺の幼馴染の物件だよ。これ、使いたいの?」

「え?」僕らはあっけにとられていた。というかそこらへんからテンションが上がっちゃって、どんな会話をしたか覚えていない。覚えているのは、「明日オーナーさんに電話して話をしとくよ。」と言われ、名刺交換をしたこと。

次の日の朝、本当に話をしてくれたようで、「詳しいことを説明してあげて。」という内容の電話があった。旅館のオーナーさんの電話番号を教えていただき、すぐにオーナーさんに電話をし、いろいろと話をした。電話だったのでうまく伝わらなかった。それでもとりあえず来週会って、もう少し詳しい話をしようということになった。

あっという間だった。あっという間に、旅館のオーナーさんとつながった。いくつもの偶然が重なった奇跡に近い話だと思った。

と言うことで僕たちは、次の週にオーナーさんと会いにまちに行くことになった。

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このブログについて

山形R不動産草創期、2009年から2013年にかけて、当時の東北芸術工科大学の学生たちが山形市内の空き物件を探し、実際に再生していったプロジェクトダイアリー

著者紹介

黒田良太
鈴木芽久美
山本将史
工藤裕太
佐藤英人
石母田 諭

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