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2009.3.16

第7話 理想を現実に近づける

 

2009年、年明け早々工務店に見積もりをもらいに行った。

私は金額を見て言葉を失った。

なんとなく予想はしていたが、やはり私たちの予想をはるかに超える額となっていた。一部屋一部屋の見積もりの内訳を説明してもらい、その場で少しでも下げられるところがないか入念にチェックした。私だけではわからないところを建築のプロに丁寧に説明してもらい、

「この見積もりを元に先生と話し合って来ます。」とその日は工務店を後にした。

私は大学に車を走らせながら、もしかしたらこのプロジェクトは駄目になってしまうのではないかなどという思いで頭がいっぱいになっていた。

後日、先生に見積もりを見せた。先生もやはり「あーやっぱりかぁ」という感じだった。見積もりを見ながらVEという作業が始まった。※ VE(Value Engineering)とは、 製品やサービスの「価値」を、 それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法。(社団法人日本バリューエンジニアリング協会HPより引用)

まずは、いらないところから話し合った。そしてペンキ塗りや掃除など自分たちでできるところは自分たちでやる。また、材料を比較し安い方の採用など、これはこのくらい下がるだろうと予想しながら値下げをかけた。しかし、なんでもかんでもなくしたり、安くすればいいわけではない。生活に必要なものはちゃんと設け、建築基準法や消防法上はで必要なものはしっかりと話し合いVEを進めた。それと平行して月々の家賃収入から返済にどのくらいかかるかなど利回り計算まで行った。

自分たちはこうしたい!と思っても現実にできないことも少なからず存在する。資金をあまりかけずにリノベーションするには現実を理想に近づけるのではなく、理想を現実に近づける作業が必要なのだと感じた。

最終まで、オーナーさん、建築業者、電気業者、設備業者の方々と含め何度も話し合い、計4回ほど見積もりを出してもらい。両者納得の元いよいよ工事が始まることとなった。

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このブログについて

山形R不動産草創期、2009年から2013年にかけて、当時の東北芸術工科大学の学生たちが山形市内の空き物件を探し、実際に再生していったプロジェクトダイアリー

著者紹介

黒田良太
鈴木芽久美
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工藤裕太
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