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2011.9.27

第1話 Tomorrow never knows

水戸靖宏(千歳不動産株式会社)
 

山形R不動産の仲介担当 千歳不動産株式会社の水戸靖宏です。
突然ですが、私、兼業農家になりました。

2011年の6月中ごろ(さくらんぼ収穫の2週間前)、専業農家を営んでいた父が急逝し、農業についての知識も技術も経験もまったく無いまま、急きょ、農協の組合員となって果樹農園を経営することになってしまいました。

これまでは、父と母が二人で40年間、主にりんご、さくらんぼ、ラフランス、米をつくってきました。私も毎年忙しい収穫作業などは手伝っていましたが、おいしい果物を作るために収穫までにしなければならない地道な管理や手入れはまったく経験がなく、家業を継いで農業をするつもりもまったくなく、ずっとサラリーマン生活だったので、父の急逝により残された農園をどうするのか、さしあたり6月末~7月上旬に収穫間近のさくらんぼはどうすればいいのか、その後8月末から収穫が始まる早生(わせ)りんご、10月の収穫に向けて手入れが必要なラフランス、10月末~11月にかけて収穫予定のりんごは・・・?
と、目の前が真っ暗になりました。


6月上旬に雨よけテントを張ったさくらんぼ園 (約20a 佐藤錦約40本)

が、しかし、季節は、自然は、待っててくれません。父の葬儀やなんだかんだを終えているうちに、さくらんぼはどんどん色づいてきていました。農園は、できないからといって、そのままほっぽらかしていいものではありません。収穫もせず手入れもせずに農地を荒らすことは、果樹の病気や害虫発生の原因にもなり近隣の農園にも迷惑ですし、なにより同じ地域でこれまで父と同じ農業経営をしてきた農家仲間のみなさんの人目も気になります。
「あそこのバガ息子、オヤジが大事に育てた畑、ぶん投げて荒らしちゃったんだど!」っていう非難が聞こえてきそうです。


50mの雨よけテント5連棟。手作業で毎年ビニールを張ります。

また、長年父と一緒に畑を守ってきた母は父の残した果物を、農園を捨てることなど絶対にしないでしょう。ほっといたら一人で毎日2人分働き、今度は母の葬儀を出す破目になるでしょう。

そして、選択の余地などないまま、気付くと「オヤジの残した畑は、長男としてオレが守る!」と宣言していました。こうして兼業農家「水戸農園」が誕生しました。


父が最後に手がけたサクランボ 今年も豊作でした。

宣言はしましたが、まだまだ目の前は真っ暗です。
何をどうすればいいのか、作業の一つ一つを母や周囲の農家仲間に聞きながら、一歩ずつ進むしかありません。

これからどうなるのか? どこに向かうのか?
まったく Tomorrow never knows です。

こんな調子で、「山形R農園」スタートしました。(Rは リアル?リスク?)


つづく

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このブログについて

山形R不動産メンバーの水戸靖宏が、ある日突然兼業農家になり、戸惑い、苦悩し、時折愚痴を言いながらも、楽しく農地と向き合っていくストーリー。後継者不足で増え続ける空き農地。山形R不動産では物件ばかりではなく、農地や農業も紹介してしまうのか!?

著者紹介

水戸靖宏(山形R不動産/千歳不動産・マルアール代表)
山形R不動産の代表であり、千歳不動産株式会社の代表取締役、そして株式会社マルアールの代表も務め、さらに現役の兼業農家として、ラ・フランスやさくらんぼを栽培。

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