2012年 10月下旬 追記
ラ・フランスの伐採を終えてみると、グレーに曇っていた空に秋晴れが戻ったようでした。
朝焼けの雲。
墓標のように切り株だけになっていたラ・フランス園。残された切り株は、知り合いの重機屋さんに頼んであっという間に抜根を完了。
(抜根は私が会社へ行っている平日に行ったため、残念ながら画像がありません)
今日は、すっかり何もなくなり原っぱと化した元ラ・フランス園をトラクターで耕します。
赤いトラクター出動!ユンボで抜根したとはいえ、永年にわたって果樹園として使ってきた畑はガンガンに踏み固まり、14.5馬力の小型トラクター(第23話参照)ではなかなか歯がたちませんでした。
ロータリーの刃がスムーズに引っかかる程度に耕転深さをできるだけ浅くして、ゆっくり丁寧に耕すしかありません。時々トラクターを停めて、地中から出てきた石を拾いながら。
がんばれ!ヤンマー。耕転作業をしていると、時折、近隣の農家の人たちが前の道路を通っていきます。
他所の畑で何か変わったことを始めると、みんな興味があるらしく、ゆっくりと眺めていく視線が感じられます。もちろん、ラ・フランスを伐採している時から見られていたのでしょう。
「あそこのバガ息子、とうとうラ・フランス倒したんだな~。」 とか
「オヤジはいい果物作ってたのに、もったいないな~。」 とか
「あのバガ、ラ・フランス倒して、今度なにするんだべ?」とか
みんなが話している声が聞こえてきそうです。(ただの被害妄想ですが・・・)
・・・くそ~・・・悔しいけど、仕方ない。
兼業農家の経営者として自分の限界を認め、家族の負担を減らすことと、所有する農地をきちんと管理していくことが目的での決断、間違ってない・・・と自分に言い訳しつつ、黙々と耕転作業を続けました。
一日がかりで、全体をくまなく丁寧に3回耕転し、なんとか深さ20~30cmを確保、一般的な野菜などを育てられる程度の"畑"が完成しました。
耕転部分 約15アールの「畑」、完成です!そして、この"畑"を今後どうするか。
ついに、この「山形R不動産」を通じて一般の方に家庭菜園として区割して貸し出す!!
なんてことも、一時は考えていましたが、区割して何組かの一般の方にお貸しした場合、結局はウチで全体の管理をしなければならず、かえって気苦労が増えそうです。
また、行政やら農業委員会やら許認可をどうすればいいか、まったく見当つきません。
そんなこんなグズグズしているうちに、聞きつけた親戚が野菜畑として使いたいという連絡が入り、実はラ・フランスを伐採する時点では既に決定していました。
耕転作業の3日後には、来年のための玉ネギの苗や春キャベツなどの越冬野菜が植えつけられ、すっかり野菜畑となりました。
生まれ変わった元ラ・フランス園。叔父さん、管理よろしく!農地を何もせずに放っておけば"耕作放棄地"となり、病害虫の発生原因にもなって近隣に大きな迷惑をかけてしまいます。でも自分では管理しきれない農地を、こうして他所に任せて使ってもらうことで、きちんと管理してもらうことができます。
これも、父が大切にしてきた農地を守る方法のひとつ。
・・・山形R不動産のみなさま、今回もお役にたてずにすみません。。
つづく