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2010.10.5

第64話 家具職人がセルフで改装

鈴木芽久美
 

以前、「まちなか秘密基地」としてご紹介した物件、山形R不動産サイトにアップしたのがきっかけで、ここは現在clapsという家具のお店の工房として使われている。
顔を合わせてびっくり! オーナーさんとお客さんは昔からの知り合いだったそうで、山形って狭いなとつくづく感じた。

ここは、山形駅まで徒歩7分、まちなかまでもすぐと、とてもいい立地条件にあり、大通りから少し路地に入り奥に進むと、かっこいいコンクリート壁のこの物件が現れる。


一番奥のドアが入り口

一番奥のドアが今回の物件で、ここは50年間、仏具をつくる工房として使われていた。その他は肥料を置く倉庫として使われている。


入り口

改装前はこんな感じ。


薄暗い空間

コンクリートの分厚い壁で薄暗い空間。
2月下旬、男3人の手によってセルフビルドの改装が始まる。


解体中

まずは解体。床下からは50年分のホコリが舞い、かなりのゴミが!
天井も剥がし、高い天高を確保。


広くなった空間

倉庫と仕切っている壁もセットバックさせ、空間が少し広くなっている。
壁の黒い跡がもともとの部屋の大きさ。


黒い壁

入って左側には壁と天井を作り小さな事務所が。
天井の上は収納力のあるロフト。ドアや窓は古い蔵を解体した時に出てきたものを再利用。


事務所とロフト

数ヶ月後再び、取材へ。
家具工房とだけあって、入り口には椅子のオブジェ。


入り口に並ぶ椅子

内部には家具を作る為の様々な道具が所狭しと並べられ、大きな音をたてて作業しても、コンクリートの分厚い壁は音が漏れにくく、夜中まで作業できるそうで、それが一番助かっているのだとか。
通りがかりに不思議そうにおばあさんが来て、ここは何だ? と訪ねてきたりもするそう。


作業スペース

元はお店の隣りが作業場だったのですが、手狭になり、新しい作業場を探していた時に出会ったこの物件。
「将来的には、表側に進出して街に開けたカフェなどを設けて、ここでつくった家具をそのカフェに置けたりしたらいいですね。そういうストーリーが欲しいんですよ。そうしたら、1棟でやっているっていう強みがでると思うんですよね」とclaps相田さん。

最近よく、食材などでは生産者の見えるものって多いが、カフェで腰掛けた椅子やコーヒーが置かれたテーブルなどの作り手が見えるカフェ。
その家具がどこにどうこだわって作られたのかとか聞けたら新しくてなんだかおもしろい。是非実現して欲しい。

ちなみに、こちらで作られた家具はclapsのお店にて販売。
このお店は、以前『山形の楽しみ方』の「第4話 蔵スタイル」の回でご紹介しており、古材の家具、古道具、器、山形のおいしいお酒などが売られている。
お店の方も、セルフで古い民家を改装したのだそう。お近くにいらした際は是非、足を運んでみては。

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このブログについて

山形R不動産草創期、2009年から2013年にかけて、当時の東北芸術工科大学の学生たちが山形市内の空き物件を探し、実際に再生していったプロジェクトダイアリー

著者紹介

黒田良太
鈴木芽久美
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工藤裕太
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