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2013.9.27

第48話 Don't Know Why

水戸靖宏(千歳不動産株式会社)
 

2013年 6月下旬
さくらんぼシーズン、最盛期に突入です。
5月下旬から葉っぱとりや摘果、ハウスのビニールかけなど準備を整え、いよいよ収穫!

6月15日から早生種の「紅さやか」や「高砂」を収穫・出荷し、21日から主力品種「佐藤錦」にとりかかりました。

近隣では例年の1、2割の収穫という不作の農家もあった中、なぜかウチは豊作。
今年も、真っ赤に色づき大玉で甘い「佐藤錦」ができました。

どうです?美味そうでしょ?


6月21日、収穫スタート。味自慢!水戸農園特製「佐藤錦」。

完熟のサクランボは、気温が上がってくると実が柔らかくなってしまうため、朝の涼しい間、遅くても昼前までしか収穫できません。だから収穫時期は朝4時から作業開始。

美しく色づいたサクランボの収穫はとても気持ちよく楽しい作業。
収穫班(もぎ方)は毎日4~5人体制で、和気あいあいと・・・最初は。

でも、捥いでも捥いでも終わりの見えない仕事に、次第に話し声もなくなり、ただ黙々と。


全部で約80本ほどのサクランボ。毎日毎日もぎ続けます。

収穫したサクランボは自宅の作業小屋へ運ばれ、5~6人体制のパック詰班(詰め方)がギフト発送用、JA出荷用と別けて箱詰め。


初公開!水戸農園の作業小屋。(普段は車庫)

ここでも、毎日毎日ひたすら選果してパック詰め。多い日は一日200㎏捌きます。

そして、箱詰めされたサクランボは、ギフト発送分は随時宅配便が集荷に来てくれますが、JAへの出荷分は午後2時と夜8時の2回の締め切り時間に合わせて出荷。


出荷はJAてんどうフルーツセンターへ。これ全部サクランボです。

出荷作業は毎日2回、もちろん生産者である自分が行きます。


夜8時、締め切り間際のフルーツセンター。

最盛期は家族とアルバイトさん7~8人、合計11人体制でフル稼働。
毎年のことですが、こういう工程で朝4時から夜8時までぶっ通しの超ハードワークです。

新鮮さが命の商品ですから、完熟したものから早く収穫し、その日のうちに全て出荷しなければなりません。もちろんアルバイトさん達は夕方定時に上りますが、家族は出荷が終わるまで仕事は終わりません。毎日毎日毎日・・・怒涛の作業が続きます。

さすがに3週間休みなしでフルマラソンのような仕事が続くと、全員もう限界ギリギリ。
自分も昨年より体力的にキツく感じ(←年か?)、後半は夢と現実の間を漂っているような、朦朧とした状態で仕事を続けていたような気が。


7月6日、ついに収穫作業終盤、ラストスパートです。

・・・そして、ようやく収穫作業が終了。。

昨年も例年にない豊作で収穫だけで3週間かかったため、今年は昨年より少しでも期間を短縮したいと、みんな必死で頑張りましたが、やっぱりほぼ3週間かかりました。
(昨年の作業の様子はこちら→ 第26話参照


7月7日、今年の収穫作業が終了。

収穫を終えたら、間髪を入れずに翌日からハウスの撤収です。

ハウスの周囲の防鳥ネットを外し、来年使いやすいように丁寧に畳んで、


7月8日、防鳥ネットの撤収。

ハウスの屋根部分、ビニールを1棟ずつ全部で13棟分外し、


7月9日、ビニールの撤収。

ついに、これで、本当に全ての作業が終了!!

・・・・・・

春の悪天候から受粉や結実を心配し、近隣では不作の園地も多く、それでも結果、蓋をあけてみれば、ありがたいことにウチの収量(出荷量)は昨年を上回る大豊作でした。

ただ、収量が多ければ、稼働日数もかかり、人件費や資材や諸々の経費もかかり、終盤は市価(出荷時の価格)も下がり、収入自体がそれほど増えた訳ではありませんが。

それにしても、今年も昨年も、いつも父がやっていた通り(技術的にはそれ以下)の管理をしてきただけで、実際何が良かったのか、恥ずかしながら豊作の理由がわかりません。

来年も同じように作れるのか?それとも、突然不作に見舞われたりするのか?

それに昨年同様、当然のように3週間のサクランボ休暇(そういう制度はない)をとり、会社の皆々様には大変ご迷惑をかけつつ、今年もなんとかサクランボ作業をこなしました。

来年も、そのあとも、いつまでもこんなんでいいのか?


さくらんぼシーズン2013、とにかくこれで終了。

豊作なら豊作で仕事はキツく、会社を長期間休み、でも収入はそう増えない、という現実。

逆に不作だったら、毎年買っていただくお客様に迷惑をかけ、収入も極端に減り、どうして不作になったか悩み、剪定や防除や管理の仕方を反省することになる、というのも現実。

適当量に収穫できて、2週間位で作業を終われる「ちょうどいい」がいいんですけど。。


つづく

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このブログについて

山形R不動産メンバーの水戸靖宏が、ある日突然兼業農家になり、戸惑い、苦悩し、時折愚痴を言いながらも、楽しく農地と向き合っていくストーリー。後継者不足で増え続ける空き農地。山形R不動産では物件ばかりではなく、農地や農業も紹介してしまうのか!?

著者紹介

水戸靖宏(山形R不動産/千歳不動産・マルアール代表)
山形R不動産の代表であり、千歳不動産株式会社の代表取締役、そして株式会社マルアールの代表も務め、さらに現役の兼業農家として、ラ・フランスやさくらんぼを栽培。

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