みなさん、こんにちは。
もう2月になってしまいましが、2015年一発目の更新です。
更新をサボり過ぎて、ブログとリアルのギャップが半年、季節は真逆。
ほんっっっとに申し訳なく、今はただひたすら反省の日々を過ごしております。
そういったわけで、リアルな季節に少しでも近づけるべく、過ぎ去った空白の期間をダイジェストで書きとめていこうと思います。
2014年 8月
真夏です。
今年も連日35℃を超える猛暑、外ではミンミンゼミとアブラゼミの大合唱。
8月3日、畑の隅っこのヒマワリ。畑の隅っこのヒマワリが、我が世の夏を謳歌するように咲き誇っています。
田んぼの稲もスクスク育ってきました。
8月5日、稲穂が出揃ってきました。
同時に、稲の花も咲き始めました。7月下旬に出穂を確認、8月5日ごろには稲穂が出揃い、ほぼ同時に、稲の花も咲き始め。
今年は6、7月の高温で農作物が例年より 5日程度早く育成していると聞いていたんですが、まさにピッタリ。うちの稲も昨年より 6日早く花を咲かせました。
稲に限らず、今年は全ての作物の生育が早いみたい。
高温障害による品質の低下なんて心配もあるらしいんですが、このまま順調に高品質に育ってくれることを期待することにします。(まことに身勝手な期待ですが)
そしてラ・フランスやリンゴなどの収穫で忙しくなる前、夏の間にやっておくべき仕事として、この夏はサクランボの樹を一部切り倒し、サクランボの作付面積を縮小することにしました。
さすがに兼業農家の身分で約100本のサクランボの経営は多過ぎ!
毎年6月、収穫作業だけで3週間かかり、丸々3週間会社を休むのも気がひける!
何より、収穫期間の3週間、休みなしで朝4時から夜9時までの超重労働はハード過ぎる!
などなど、このままじゃ兼業農家どころか人間をも続けられなくなりそうな無理が山積みの状況ですから、ここが経営者としての決断のしどころです。
「せっかくの樹がもったいない・・」とか、「収入が・・」とか、「オヤジが育ててきた樹が・・」とか、そんな甘いこといってらんねえ。。
大切なものを守るために、「やめる」ことも、男として大事な決断だぜい。
という流れで、病気で弱ってしまったり、樹勢が弱く花芽の付き方が悪くて高品質のサクランボが取れなくなってきていた樹から、切りました。
切って、
切って、
切りまくり。あの伝説の「チェンソー持ったまま脚立から落下して腕折れた事件」(3年前の事件のブログはこちら→第10話参照)でおなじみの、必殺チェンソーで切って、切って、切りまくってはみたものの、なんていうか、農家のサガというか、欲タガリ(山形弁で「欲深い」の意)というか、切ったのは結局 5本だけ。100本中、5本だけ。
まー、100分の5 は規模縮小した訳なんですが、また来年も3週間近くの作業は確定。
そしてこの夏は、猛暑でありながら全国各地で大雨やゲリラ豪雨や突風や竜巻や、夏らしいといえば夏らしい、けどちょっと尋常じゃない過激な自然災害が繰り返されていました。
8月23日、前日の突風でラ・フランスの枝が折れていました。ここ山形も例外でなく、大雨や突風の被害がかなりありました。朝、前日の突風の被害の確認で園地を一周りしてから会社へ出勤した日の午後、母から電話が入りました。
母 「今、すごい雹(ひょう)が降ってる!家の屋根破れるぐらいのすごい音だよ!!」
自分 「は?雹(ひょう)?」
その時間、会社の周辺は全く雨も降っておらず、それほど大したこととも思えず、「なにを大げさなことを。。オレに電話してきたってどうにもできねえよ。」(←心の声)と安易に考えていました。
自分 「わかった。ラ・フランスやリンゴに多少の被害あるかも知れんから、明日見とくよ。」
なんて余裕で適当にやり過ごしていると、自宅周辺で仕事している知人友人から続けて連絡が。聞くと、局所的に地元周辺に大粒の雹が約10分程度降ったらしく、その雹は見たこともない大きさでゴルフボール位のものもあったと。
家のガラスや車のガラスやカーポートの屋根が割れる被害が多発していて、うちの農園の周辺の農作物にも相当被害がありそうだとのこと。。
・・・マジか?
8月23日、これがその大粒の「雹」。(画像は地元の方が撮ったものをお借りしました)・・・まさに自然の猛威。
翌朝、夜明けと同時に園地を巡回してみると、ラ・フランスにもリンゴにも生々しい傷跡が。
8月24日、雹害にあったラ・フランス。まず、ラ・フランス。ちょっと見ただけで、あれもこれも、雹害で傷ついていました。
雹が当って裂傷が。そして、当然、リンゴも。
8月24日、雹害にあったリンゴ。雹が当たった所は、陥没し、実が裂け、白い果肉が見えています。
果肉が見えてます。ラ・フランスもリンゴも、この時期すでに野球ボール位の大きさ。でもまだまだ完熟期には遠く、果実はかなり硬い状態。それでも、ゴルフボールが降ってきたらひとたまりもありません。
ちょっと見ただけで、いたるところに雹害で傷ついた果実。痛々しく破れ穴の空いた葉。
葉っぱにも、穴があいてます。通常、出荷する場合、細かな傷があれば格下げ、大きな傷はもちろん売り物になりません。
今回の雹による傷は大きすぎて問題外。
ざっと、全体の半分以上と思われ、近年にない大損害がほぼ確定。
そして雹から1週間後、果実の状態を見てみると、傷が大きく果肉が見えてた部分から腐敗が出始めていました。腐敗果をそのまま放置すると、病害が出る原因にもなりかねず、廃棄することにしました。
8月30日、腐敗が出始めたラ・フランス。まだ収穫期には1か月以上あるというのに、片っ端から捥いでは捨て、捥いでは捨て。。
そして廃棄されたラ・フランス。秋の収穫は大変ですが喜びも感じながら、家族で和気あいあいと賑やかに作業しますが、廃棄するために捥ぐ作業は、言葉もなく、母と二人ただ黙々と捥いで捨てての繰り返し。
廃棄したラ・フランスは一輪車で10杯以上。捥いでみると予想以上の被害を実感しました。
ざっと全体の半分以上・・という見積りは全然甘く、被害は確実に7~8割はありました。
ラ・フランスの被害がこれだけあるということは、収穫期が違えどリンゴもほぼ同様の被害。
いかに自然の恵みとはいえ、時々ある台風被害にも慣れてるとはいえ、手塩にかけた果実をただ捨てるためだけに捥ぐ作業は、トホホくらいの言葉では表せませんでした。
・・・しょうがない。
あとは、なんとか無傷で生き残った2割の果実が無事に収穫できるよう祈るのみ。
こういうことも、農業の一部分。喜びもあれば、悲しみも。
つづく